若人の考えていること。

思いのままに書いています。

指導者2.0

 

指導者2.0

 

世間では“時代遅れ”と揶揄される高校野球であるが、僕は転換期に突入していると感じる。

 

というのも、数年前まで球数制限などという

言葉すらなく、延長引き分け再試合で力投する投手に誰もが拍手を送っていた。

 

しかし近年ではタイブレーク制が導入されたり、投手の球数制限が議論されたりと、長い目で見れば1つの転換期を迎えているように思える。

 

そんな中、指導者の形も転換期を迎えているのではないかと僕は思っている。

 

それが「指導者2.0」だ。

 

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インターネットが作った現代

 

前回のブログで、情報について書いた。

 

"情報"は売れない。 - 若人の考えていること。

 

この"情報"が転換の要因であり

トラブルの原因である。

 

高校野球に携わり、多くのチーム、指導者、選手を目にするが、

どうも"情報格差"が拡大しているように感じる。

 

今からめちゃめちゃ重要な事を言うが

 

ひと昔前までの、

情報飢餓時代は「情報をいかにして集めるか」が重要であった。

 

つまり

"指導者の方が情報を持っている時代"だった。

 

正解の方向性も曖昧だったため

"オレの言うことが正解だ"と言い切れる

良く言えば、リーダーシップのある。

悪く言えば、独裁的なワンマン指導者が

時代にマッチしていた。

 

 

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ところが

情報飽和時代に入り

「情報をいかにして厳選するか」

重要になってきていて

 

"選手の方が情報を持っている時代"になろうとしている。

 

そんな選手に

アップデートされていない

クオリティの低い情報で縛って

「オレの時代はこうだった。

オレはこうやって上手くなった。」と

指導してしまうとトラブルが発生する。

 

なぜなら

現在は、"正解の方向性"は見えはじめていて、

選手の方が情報を持っているからである。

 

例えるなら、

張本さんが監督をしている

チームの選手全員が、ダルビッシュ選手の

Twitterをフォローしていれば間違いなく

選手から監督に「喝!」がはいり、

ボイコットが起こるということだ。

 

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ただ、この事を理解していてか

(理解している訳がない)

未だに、スマートホンの使用を制限したり、

SNSを禁止にしている野球部は多い。

 

更に学校教育の弊害も相まってか

高校生の本人達も

SNSやインターネットは危険だと認識して

おり、消極的な生徒も多いのが現状である。

 

しかし、このタガが外れた途端に

全国各地の旧来指導者への反乱が起こることは

予想できる。

 

 

指導者はダルビッシュになれ。

 

そんな現代の課題は

"検索の難易度が上がる"という事だ。

 

Googleで、情報を集めようとしたとき

検索ワードは、なんと入力するだろうか。

 

「野球  投げ方」「野球 トレーニング」

だろうか。

 

これでは無数に出てくる情報の中で

どの情報が正しく、

信用できるのかは分からない。

 

以前も、ブログに書いたが

"信用できる情報とは、

信頼している人がピックしている情報"

である。

 

つまり指導者はダルビッシュ選手になった方が良いということである。

 

これはなにも、メジャーリーガーであれ。

ということではなくて

 

「信用と知識と経験をいかして、

                           情報を厳選し、発信する。」

 

という事である。

 

これが指導者2.0だ。

 

日本高校野球界に"コーチング"

という言葉が飛び交わないわけ。

 

日本スポーツのコーチングスキルは、

かなり低いという事は度々言われている。

しかし、それ以前に"情報弱者"がすぎる。

 

正解の方向性は、すでに見えはじめているのにもかかわらずどのチームもやっていることがバラバラだ。

 

片や、データやスポーツサイエンスを現場に落とし込むチームもあれば、

片や、選手に走り込みだ、投げ込み、振り込みだと未だにそんなことを言う指導者もいる。

 

右も左も全く違う事をしている。

 

それを

「正解なんてないから、色んな指導の仕方があっていいんじゃないか。」と言う。

 

どう考えてもおかしい。

そんな業界がどこにあるんだ。

時代錯誤も甚だしい。

 

こんなに正解の方向性が全く統一されていない業界も珍しいのではないだろうか。

 

スポーツサイエンスが現場に落とし込めている国や地域では"正解の方向性"は周知されているため、どのチームも練習の方向性は大きく変わらないだろう。

 

だからこそ"コーチング"に差が出るのだ。

 

まとめ

 

情報飢餓時代の

独裁ワンマン指導型から

 

情報飽和時代の

フォロワーシップ型へ。

 

時代は変わってきている。

選手と指導者の関係性も変わってきている。

 

"年齢" "地位" "経験"を武器に指図する

指導者ではなく、

 

大事なのは"信頼"である。

 

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➖「指導者2.0」➖

 

菅野雅之