若人の考えていること。

思いのままに書いています。

なぜ高校野球は大学野球よりバズるのか。

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今年もこの時期がやってくる。

そう。夏の高校野球だ。

 

以前も書いたが、高校生の全国大会が全試合地上波で生放送される事は普通の事ではない。

 

マチュアの競技で6万人近くの観客を集めるものは他にいくつあるだろうか。

 

 

今年の春の第90回選抜大会決勝は30年ぶりの満員、昨年夏の選手権大会は朝の6時30分に満員通知が出るなど、人気は加速している。

 

その一方で、同じ競技でありながら日本国民にあまり馴染みがないのが大学野球である。

 

競技のレベルだけを見れば大学野球の方が高いはずではあるが、2015年の東京6大学野球の年間観客動員数の平均は8,000人だという。

 

選手権大会に至っても満員通知などは聞いたことがない。

 

地方大学になればそれは尚のことである。

 

これはなぜだろうか。

 

高校生の全力プレーに心が動くのだろうか。

では、大学生は全力プレーをしないのだろうか。

 

高校生の清々しい姿が勇気を与えるのだろうか。では、大学生は清々しくないのだろうか。

 

もちろん上記のものが影響していない訳ではないが、それだけではないだろう。

 

エンターテイメントとしての甲子園

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先日バスケットボールのプロリーグbリーグのファイナルをテレビで見ていた。

 

近年bリーグは注目を集め、今シーズンの観客動員数は過去最高の10万人を突破したという。

 

その中継のなかで、様々な集客のための工夫が紹介されていた。BGMを流して会場を盛り上げたり、応援グッズの配布、ハーフタイムショーではチアがダンスを披露したり、観客達はチームカラーのティーシャツや帽子を着用している。

 

 

なにか気づかないだろうか。そう。

これは高校野球の場合、連盟がこのような事をしなくとも、学校の生徒が勝手にこのような事をやってくれるのだ。

 

ここが決定的な違いではないかと考える。

 

以下に高校野球大学野球より人々の関心を集める理由を2つあげる。

 

 

1、一般学生を巻き込めるか否か。

 

大学では体育会学生は基本的に一般学生(運動部活動に所属していない学生)との接点は、ほとんどない。私の知っている体育会学生は学校では部活動の仲間と群れるので一般学生からすると少し近寄りがたい存在であり、そもそも学校にすら来ない者もいる。

 

その為、同じ大学の運動部が試合で勝ち進んでも一般学生の話題にすらあがらない。

 

親近感がないのだ。

 

一般学生を巻き込めていない。これが、大学野球が盛り上がらない一つの要因ではないだろうかと私は考える。

 

アメリカの大学スポーツの人気は日本とは比べ物にならない。

私が今年の2月に、アメリカでUCLAのバスケットボールの試合をゴール裏の中段やや下から観戦した時の値段は1席あたり日本円で1万2,000円だった。大学スポーツでだ。

 

しかし、反対側を見るとUCLAの応援団(学生)が最前列から中段後方まで陣取っている。一緒に観戦していた友人と「あのシート全部一般用にしたら、いくら儲かるんだろうか?」と話していたものだ。

 

しかし、あの一般学生の盛り上がりが雰囲気を作っているのだ。

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高校野球をはじめ、野球を観に来るお客は、

実は野球だけをじーっと観に来るわけではない。

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学校の応援、吹奏楽部の演奏、チアガール、揃いのウエアを着用する非日常、スタンドで飲むビール、飲食店の出店。こういった球場の雰囲気の全てを楽しみに球場へ足を運んでいるのだ。

 

 

野球単体ではなく、全てを含めたものがエンターテイメントに勝手になっている。

 

 

2、地元の人たちを巻き込めるか否か。

 

上記のアメリカの大学スポーツを観戦して感じたもう一つが、これである。

 

私が通った大学では、学内に地域の人が立ち入る事はほとんどなく、その地域で孤立していた。

 

もちろん、安全面の配慮は必要だが学内の施設を貸し出す事や、地域の高校や中学校との交流があってもいいのではないだろうか。

 

どこかの某大学野球リーグのようにアクセスが悪く、所属大学とは無縁の地でのリーグ戦を開催していては、大学を応援する地元の人達が足を運びにくい。

 

ホーム&アウェーでやれとまでは言わないが、所属大学のない県でリーグ戦を開催する事など考えられない。

 

 

人が集まれば、お金が集まる。

それを選手達の為に使い、良い環境でプレーさせられたらそれに越したことはない。

 

どうも、お金を取ることは学生スポーツではタブーとされているが、それを選手達の為に使えばなんの問題もないのではないだろうか。

 

現在盛り上がりを見せているサッカーW杯を見ればわかるように、スポーツには観るという関わり方がある。

 

スポーツを観に来た人達には何かを伝えられるはずではないだろうか。

 

それがスポーツの一つの価値である。

 

 

野球人口が減少している今、野球が良い形でバズる事を期待する。

 

 

さあ、今年も夏が始まる。

 

 

菅野雅之

 

あとがき

 

「バズる。」とは通常SNSなどで「みんなが話題にしている。」や「多くシェアされている。」という意味で使われている言葉ですが、今回はSNSに関わらず、日常的に「みんなが話題にしている。」という意味で使いました。

 

あと、単純に響きが良くてスッキリするので。笑

 

今回は具体的な話ではなく、評論的な内容になってしまいましたが、このような背景がある。という事だけでも伝わって、何か考えるきっかけになればと思います。

 

ご意見・ご感想あればよろしくお願いします。