若人の考えていること。

思いのままに書いています。

野球ってなんだろ?

 

連日スポーツニュースではプロ野球の全試合のハイライトが放送され、高校野球も春・夏ともに全試合地上波で生放送されている。高校生の全国大会で全試合生放送されるのは野球という競技だけであり、この文化というものは少し異常とも言えよう。

 

そんな野球というスポーツを私は小学2年から14年間行ってきた。そしてまた、幸運な事に今もなお野球というスポーツに携っている。

 

 

そんな私も1年半ほど野球と関わらない時期があった。その際に、以下のような活動を行ってきた。

 

 

 

大学生やってみた。を終えて。 - 若人の考えていること。

 

他のスポーツを見る事により、野球というものの特徴が見えてきた。

 

 

まず、様々な分類の方法がある。チーム競技か個人競技か。コンタクトスポーツか否か。クローズドスキルかオープンスキルか。エネルギー代謝

 

野球の特徴として

チーム競技である。

コンタクトがない。

オープンスキル。

ATP-CP系。

イニング制。

走る距離が決まっている。

 

など様々な特徴がある。

スポーツにはその競技の様々な特徴があるが、私は今回、ここに注目したい。

 

それは、チーム競技でありながら個人の技能が勝敗に大きく影響する。という事である。

 

特に投手が試合の勝敗に与える影響はかなりのものであろう。

 

更に、攻撃は特殊である。

サッカーやバスケットボールは自陣にボールが渡り、攻撃側になった際にはある程度ボールをコントロールする事ができる。

 

そのため、事前に攻撃側になった際にどのように攻め込むかの作戦を立てる事ができる。

 

しかし野球は攻撃側になっても自陣でボールをコントロールする事はまずない。むしろ、攻撃側になった時の方がボールをコントロールする機会は大きく減少し、チームで連携した動きをする機会も大きく減少するスポーツである。

 

さらに打順があり、必ずバッターボックスには一人で入り、順番通りに攻撃者が攻撃を行う。つまり、攻守は規則的に入れ代わり、相手とのコンタクトは無い。

 

これが俗に言う番狂わせが起こりやすい要因の一つだろう。

 

 

野球の練習は?

 

しかし、練習はどうだろうか。

 

野球の練習は極めて長い。

その要因は以下の通りである。

 

まず、ポジションによって必要な動作が変わる。そして、攻撃、守備、の中で共通するスキルが少ない。また、全員でボールを持って行える練習が少ない。という点である。

 

この点からどうしても、他の競技に比べ練習が長くはなるのだが、それでも改善はできると考える。

 

 

野球という競技において全体での連携が必要な練習を考えると、シートバッティングなどのゲーム形式、全体でのノックくらいしかないのではないだろうか。

 

 

その点から、やはりチームでの連携を確認する練習は少なく、同じチームスポーツであるサッカーやバスケとは根本が違うのである。

 

 

 

私の大学時代の練習は、学校が休みの日は朝の9時から練習が始まり3時から4時くらいまで全体練習が続いた。

 

その間、前から来るボールを実打したのが5分、(ティーバッティングはかなり行ったが)守備の捕球機会20球。という事は珍しくない。朝から夕方3時、4時まで練習を行っているのにだ。

 

 

内訳は、全体のキャッチボール、シートノック、シートバッティング、フリーバッティング、ランニングトレーニングだ。

 

 

大学時代は試合メンバーでは無かったので、シートバッティングは守備だけ。そうなると、上記のような状況になり、もしシートバッティングで打てても数打席である。そのため、全体練習が終わった時には、ようやく自分の練習ができる。と思っていた。

 

 

この、シートバッティングやフリーバッティングというのは、とにかく時間のかかるメニューである。

 

野球の練習を見てみるとこれはよく分かる。

グランドを見渡せば、順番待ちをしている何もしていない人がゴロゴロいるのだから。

 

野球を行なっている人は是非、その日、どのくらい実打して、打球を捕球したか、考えてみると良い。

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よく、アメリカと日本の練習時間の長さの違いが取り沙汰されるが、アメリカの選手・指導者は、その点をよく理解しているように感じる。

 

MLBチームのキャンプ施設には、日本でよく言う"鳥かご"が置かれていて、全体練習の前後では選手達はよくここでバッティング練習を行っていた。

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投手は投内連携を全体で行うが、それ以外はほとんどは個人練習だ。

 

外でのフリーバッティングは、実際の打球の角度や、飛距離を確かめているという感覚だ。そのため、選手はラスト2.3本はホームランを狙って、本当にホームランを打つのだが、それ以外は狙ったところへ打ち分ける。 

 

別に、日本もメジャーリーガーのようにやれとまでは言わないし、アマチュアでは練習の運営上どうしても長くなる。

 

ただ、個人のスキルを上げる練習と全体での連携を確かめる練習や判断のスキルを高める練習を併用して行ってしまうと、それだけで練習時間は格段に長くなってしまうのだ。

 

 

さらに、これに体力を高める練習も一緒に行おうとすると、これはもう最悪である。

 

 

それが、振り込み、走り込み、投げ込みであろう。

 

 

ここをあえて、しっかりと分離させていくことが重要なのではないかと私は考える。

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誤解を招く恐れがあるので補足しておく。

あくまでも、野球はチーム競技である。これは、どんなに個人がヒットを多く打っても、三振をどんなに奪っても、勝利に影響はするが、直結しないからである。

 

それはホームベースを踏んだ回数を相手と競うからである。

 

 

つまり、どんなにヒットを打たれても、どんなにエラーをしようとも、どんなに三振しようとも勝てるのが野球である。

だから、チームスポーツなのである。

 

しかし、このブログで私が伝えたいのは"とは言えど"野球という競技を見た時に、個人のスキルが占める割合は多いのではないか。そして、それを分離させていくことが重要なのではないか。という事である。

 

どうしても長くなりがちな野球の練習。

運良くヒットが出てしまう事もある野球。

3割打てば良い打者といわれる野球。

調子が良くても、打てない時もある野球。

だからこそ、運や神様を味方につけるために猛練習をしてしまう野球。

この練習は意味があるのか?と疑問を持ちながらも、どこかで報われると信じて猛練習する野球。

 

 

なにか考えるきっかけになれば。

 

菅野雅之