大学生やってみた。を終えて。
時の流れは早いもので、私は大学生というものを終えた。
ついこの前まで、ランドセルを背負っていたような気もするが、これは夢でもなければ、映画でもない。現実である。いよいよ私は社会人としてスタートをきった。
高校の時は寮生活、大学では地元を離れ一人暮らし、何度かこのような事は経験してきたつもりではいるが、慣れないものだ。
どこか寂しく、まるで1人で生きているような感覚に陥る。いつでも始まりはこんな気持ちになるものである。
しかし、それ以上の期待を抱いている。そして、それは組織への期待ではなく、自分自身への期待だ。新たな環境に入った時に自分自身が何を感じ、何が出来るのか。これからの自分が楽しみである。
住む環境を変え、今までと違うコミュニティに入り、1日のタイムスケジュールも変わる。
つまり、自分が変わる。いや、成長できる環境は整っている。
そして、その時により大きく跳べるように助走は十分にしてきたつもりである。
今回は、その助走について書いていく。
大学生やってみた。をやったきっかけ。
私は、大学入学当初、卒業後の目標として社会人野球を行う事を第一に考えていた。これを真面目な顔をして言うと、周囲の人は大笑いをした。
今思えば当然の事であり、到底そのレベルには達していなかった。
しかし、当時の自分は周りが思うより本気で達成しようと考えていた。当時の僕を知る周囲の人達へ聞けば私がどれだけ狂ったように練習したかは分かるだろう。
しかし、残酷な事に。いや、幸運だったかもしれない。私は大学2年の冬に怪我をした。その後も悪あがきをしながら、大学3年の夏まで野球を続けたが、怪我の影響と野球部の指導方針に違和感を感じ野球部を退部し、現役も退いた。
そこから私の大学生は始まった。
それまでは大学生ではなく、野球浪人のようなものである。授業を受け、終われば練習、夜遅くに帰宅し、学校がない日は朝から晩まで練習。野球を行うには申し分ない環境だが、何か新しいことに挑戦する余裕などまるでない。そんな日々だった。
そんな日々が終わったある日、当時、報道ステーションでスポーツコーナーのキャスターを新しく任された水泳の寺川綾さんが初めての野球取材で、初めてのプロ野球を見ながらボソッと「現役の時に観ていたらまた違ったかもしれない。もっと早く観ておきたかった。」ハッキリとは覚えていないが、そのようなニュアンスの事を言った。
水泳選手として第一線で活躍し、オリンピックに出場した選手でも、違う競技を見るのは初めてであり、この場合でいうと野球に関する知識は素人と変わらない。
しかし、スポーツというジャンルに関しての知識や経験が豊富であるから、素人よりも疑問や感じる事は、とても多い。
つまり、大学まで野球を続けたとしても所属した組織は小、中、高、大と4つだけである。それぞれの組織によって取り組み方は違うし、年齢によっても違う。競技が変われば更に違う。
このまま指導者になる訳にはいかない。
自分が所属した4つの組織以外の組織の取り組みに興味・関心が湧いた。
強いチームはどんな取り組みをしているのだろう。
他の競技でも自分が所属したチームと同じような事を行なっているのだろうか。
スポーツに関わっていく人間にとって、自分自身の競技以外を目にする事は学びが大きく、より自分自身の競技を知ることになるのではないだろうか。
自分の興味・関心に身を任せ行動した。
小学生の野球、柔道、体操、卓球、
中学生の野球、高校生の野球、バスケ、ラグビー、バレー、サッカー。授業見学。
プロ野球球団。トレーニング施設。
アメリカの高校生の野球、アメフト、スポーツメディスンの授業、短大生の野球、バスケ、NCAAの野球と、バスケの試合、トレーニング施設。
全て自らアポをとり、見学をお願いした。
その為、今までは海外どころが、遠征などでしか他県を訪れる事は無かったが、野球を辞めてからは全国各地を1人で訪ねて周った。
しまいには、大学4年の夏と2月に2度もアメリカへ一人旅をしてきた。
つまり、「なぜ、このような活動をしたか?」の問いに、あえて理由を一言で答えるなら
「非日常から日常を変える」ためである。
これは友人がくれた言葉だが、とてもしっくりきた。
私のこれからの日常は教育やスポーツと関わる事である。その中で、なるべく多くの選択肢を持ち、多くの疑問を抱き、多くの事を感じ取れるようにするために大学生のうちに行っておきたかったのである。
つまりこれが「助走」である。
大学で教育やスポーツについて勉強している。と伝えれば、ほとんど断れる事はなかった。
これが大学生の強さである。
大学生だからこそ、見学を引き受けてもらえた例も少なくない。
大学生でいながら、「大学生って最強だな。」と思いながら生活していた。
大学の先生はその道の専門家であり、
意欲のある学生には真摯に向き合ってくれる。
幸運にも私はそういった先生方と出会えた。
さらに見学を依頼したチームの関係者にも大変良くしてもらった。
こうした出会いがたくさんあった事も、こうした活動をしたからこそのものであると考える。
いや、むしろ出会いに自ら向かっていったのだ。
んで、結局、何を学んだの?
この前、友人から「んで、アメリカに行って何を学んできたの?」と聞かれた。
具体的に言えば色々ある。
野球の練習の仕方も違えば、高校の授業のスタイルも違う。大学スポーツの規模など日本とは比べものにならない。
スポーツ以外でも、チェーン展開する飲食店に入れば、アルバイトスタッフはユニフォームを着たまま店内でまかない食を食べ、携帯電話で通話をしている。日本にはまずない光景だ。
こんな事を見てきました。学んできました。なので、日本でもこうしましょう。
では、どこか浅すぎないだろうか。
土地も違えば、文化も違う。相手のパーソナリティも。全て違う。
その組織が強ければ正解という訳でもでもない。
見たものが、全て自分の指導する組織にそのまま当てはまるとも限らない。
学んだ事はたくさんあるがそれが直接的には繋がらない。というか繋げてはならないと考える。
自らの感性を磨き、選択肢を増やし、物事に疑問を持てるようにするためにこういった活動を行った。
だから、「非日常から日常を変える」なのだ。
今回のこのブログの発信対象は主に大学生である。
「大学生最強説」の立証に自ら取り組んでみた。
大学生をやりながら、大学生っていいなと思っていた。
だから、例え、スポーツじゃなくてもこれを読んでもらって何か行動を起こすきっかけとなればと思う。
自分自身の将来を考え、今すべきことを自分なりに見つけた。
ただこれは、この先も同じである。
社会人1年目だからこそ、できること、感じれる事。完全に身内になりきる前のよそ者だからこそ感じるられることを感じられたらと思う。
さぁまた明日から日常が始まる。
あとがき
今回、主な対象者は大学生と言ったが、私自身こうした行動を行い出したのは大学生からであるし、まだ、大学生しか経験していない。
その事から大学生を主な対象者としたが、読んでいただいている人の今になんらかの影響を与えられたら幸いである。
大学生の時は大学生のうちしか出来ない。と思い込ませて行動してきたが、今も今しかできない事はある。
今後も自らの感性を磨き、疑問を持ち、選択肢を広げるべく行動を起こしていきたい。
※リアクションを頂けると幸いです。
よろしくお願いします!
菅野雅之